三つ指ついて『姐さん、お帰りなさい』

えみちゃんは、愛犬メイちゃんを躾るために涙を飲んで1ヶ月間の訓練所生活に預けました。訓練が無事終わって、メイちゃんが帰ってきた時の様子を、嬉しそうに道上さんに話してましたが…。[スミマセン。超長文です]

えみちゃん「うちの犬のね、メイが帰ってきたんですよ」
道上アナ「あの訓練から？」
えみちゃん「ハイ」
道上アナ「なんで訓練に出したんでした？」
えみちゃん「いやぁ、もう飼い主が悪いんですけど、可愛い可愛いをし過ぎて、もう我が儘になってしまったわけです」
道上アナ「ああ、こう悪さをして」
えみちゃん「悪さをして。で、あと甘噛みが長く続いてたんですね」
道上アナ「甘噛みってなんです？」
えみちゃん「あのぉ、ちょっと軽く噛むくらいの…」
道上アナ「ああ、なんでも噛むのね」
えみちゃん「仔犬の時って。それが、もう9ヶ月ほどになるんですけど、まだ、それをしてたんですよ」
道上アナ「ほう。相当大きくなってるのにね。何犬でした？」
えみちゃん「ダルメシアンです」
道上アナ「ダルメシアンねぇ。あれは大きくなっていくね」
えみちゃん「そうなんです。それで、ちょっとこれは…。大型犬なんでね、このまんまいくとエライことになるぞっていうので…」
道上アナ「うんうん」
えみちゃん「で、訓練に行こうっていうので、相談に行ったんですよ」
道上アナ「ほう」
えみちゃん「そしたら、通う…一週間に一回通うだけじゃ、なかなかそういう癖は直りませんって言われたんでね」
道上アナ「なるほど」
えみちゃん「で、どうせ預けるなら一ヶ月ほど、ちょっと辛抱さして犬に我慢を覚えさして…」
道上アナ「ほう」
えみちゃん「入れてくださいって言われたんですよ。で、ちょっと寂しかったんですけどぉ…」
道上アナ「うん」
えみちゃん「もう、一ヶ月仕方がない。もうね、犬の為やし、一ヶ月頑張って貰おうと思って、7月の頭ぐらいですかね…」
道上アナ「ほうほうほう。一ヶ月経ったんだ」
えみちゃん「ええ。それで一ヶ月経って帰ってきたわけですよ」
道上アナ「はいはい」
えみちゃん「あたしはもうワクワクしてね…」
道上アナ「うん」
えみちゃん「どんだけお利口になってるんやろう、と思って…」
道上アナ「うんうん」
えみちゃん「で、もしかしたら、玄関開けたらね、三つ指ついて『姐[ねぇ]さん、お帰りなさい』って言ってくれるん違うかなぁ、とか…」
道上アナ「誰がや？」
えみちゃん「え？」
道上アナ「誰がや？」
えみちゃん「いやいや、そこまで行かなくともね…」
道上アナ「犬がかい！」
えみちゃん「そう！」
道上アナ「んなアホな！ そういう躾なんかするわけないでしょうが！」
えみちゃん「いや、でも想像するじゃないですか。いろんな訓練を受けてきて…」
道上アナ「うんうん」
えみちゃん「どんだけお利口になって帰ってくるんやろう、と思って」
道上アナ「うんうんうん」
えみちゃん「で、玄関開けて『ただいま〜』って言って、『メイちゃん』って呼んだら…」
道上アナ「うん」
えみちゃん「もう、リビングの方から猪のように、ドワ〜っっと突進してきてね」
道上アナ「ハハハ」
えみちゃん「見て下さいよ、これ。色々キズが残ってるでしょう」
道上アナ「あ、その傷かいな、それ」
えみちゃん「そうですよ。その時にじゃれ合った傷なんですけど」
道上アナ「ははぁ、懐かしがって？」
えみちゃん「そうなんです」
道上アナ「ふんふん、喜んだわけや」
えみちゃん「ええ。なんも変わってなかったんですよ」
道上アナ「なんや」
えみちゃん「それで…」
道上アナ「いきなり、傷つけられたんや。障子に穴開けて、ふすま囓って」
えみちゃん「そう。畳に穴掘って…」
道上アナ「穴掘って…。変わってないやん！」
えみちゃん「変わってないんです。あれ、おかしいなぁ。この子、何してたんやろう…。でもね、あの、変わってたところはね、あったんですよ」
道上アナ「ほう、何処です？」
えみちゃん「あの、人間がご飯を食べてるとき…」
道上アナ「はい」
えみちゃん「夕食を食べてるときに、自分も欲しいってスッゴク吠えるんですよ」
道上アナ「なるほど」
えみちゃん「『ダメッ！ メイちゃんはもう食べたから、じっとしてなさい。吠えてはいけません』って言うんですけど、もう利かないんです」
道上アナ「利かない、うん」
えみちゃん「くれるまで泣くんです」
道上アナ「誰かがやってたんや」
えみちゃん「そう、そうなんですよ」
道上アナ「ね」
えみちゃん「だから人間が悪いんですよ。家族がね、もう甘やかしてたから悪いんですけど、誰かがくれる、吠えればくれるとね思ってたんです」
道上アナ「うんうんうん、癖がついてた」
えみちゃん「癖がついてた。でも、訓練から帰ってきたら吠えないんですよ」
道上アナ「ほほう。これは一歩進歩や」
えみちゃん「そう」
道上アナ「なるほどなぁ…」

この後、もう少し話は続くんですが、ちょっと長くなりすぎましたので割愛します。

それにしても、三つ指ついて出迎える犬がいるものなら、見てみたいもんですね。その前に、犬って三つ指つけるんだろうか…？

でも、こういう言い方するほど、えみちゃんってメイちゃんの帰宅を本当に心待ちにしてたんですね。（とは言うものの、『姐さん、お帰りなさい』には本当に笑ってしまいましたけれど…）

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